『淡路こども園に入園して』 ぶんしゅうせんろより |
息子は1歳のころ主人の友人に「部長」というあだ名を付けてもらい、親しまれていました。いつも眉間にしわを寄せ、あやしても笑わず、視線も合わさず、いつも遠くを見ている様子と、子どもらしからぬでーんと構えている姿から名付けられました。 その時はこの子の個性なんだろうなという軽い気持で見ていました。1歳半検診で言葉の遅れを指摘されましたが、「男の子は言葉が遅い」どころではなく、息子はほとんどない、指さしもない、よく見ると視線が合わない…。 その頃、保育園に通っていた同じ学年の子供と比べ、明らかに発達が遅いことも気づき、育児書やインターネットなどで、自閉症ではないかと初めて息子の異変に気づきました。 その後、知的障がいを伴う重度に近い中等度の自閉症と診断されました。 私は今まで長年、看護師をしてきてその職業柄なのでしょうか、不思議とショックを受け落ち込むという感じは少なく、じゃあ次はどうしたらいいのか、何をするべきなのか、ということが頭に浮かび、焦る気持ちでいっぱいでした。 そのあと、こども園の発達教室に通い始め、通っていた保育園もやめ、私は仕事も辞め、4月から通園し、どっぷり息子にかかわろうと決めました。 今まで仕事に追われ、十分に子供に接してあげれなかったから?じゃあ、仕事をやめてたくさん関われば息子もしゃべれるようになるの? たぶんそんな気持ちもどこかにあったのだと思います。 でも、こども園に通園して今まで、何を言ってもそっぽを向いて、意思疎通が出来ないと思っていた息子にも、大人の話はよく聞いている、言っていることは分かっているという先生の言葉が胸に突き刺さりました。ああそうなんだ、この子はわかっているんだ。何故か今まで焦っていた気持ちがスッと消えた感じがしました。それから、先生の息子に対する接し方や、気持ちを理解しようとする姿勢を見させてもらい、目から鱗とはこのことだなと実感させられました。安易に関わる時間を多くすることが良いのだと思っていましたが、時間だけではなく、息子が何を訴えているのか、何をしてほしいのか、じゃあどうすればいいのか、言葉で表現できない気持ちをくみ取っていく事・・・まずそこからなのだと気づかされました。そんな気持ちで接していくと、今まで気が付かなかった息子の好きなこと、嫌いなこと、出来ること、出来ないこと、しぐさ、表情などたくさんあることが分かりました。だから今は、毎日が新しい発見でドキドキ、ワクワクの日々です。 今まで煩雑だった生活を、少し立ち止まって深呼吸、焦らずゆっくり関わっていけたら良いなと思います。まだまだ、わからないことや、十分でないことがたくさんありますが、まずは親の心の安定、気持ちの持ち方が大切なのかなと思います。 こども園の先生方、これからもどうぞよろしくお願いします。 |
淡路こども園 保護者(母) |
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