2012年発達講座「行動障がいへのアプローチ〜心理・医療・福祉の連携したの視点から」
(2012年9月15日)

日時 : 2012年9月15日(土)
午前9時45分〜午後4時30分(開場 午前9時30分)
会場 : エル・おおさか(大阪府立労働センター)本館・6階大会議室
(大阪市中央区北浜東3-14 пF06-6942-0001)
対象 : 福祉施設職員、教師、保育士、幼稚園教諭、学生、
保護者、その他関心のある方
内容 :
講演 加藤啓一郎
「心理の視点、発達の原点から」
講演 岩崎隆彦
「行動障がいは作られる(幼児期、学童期に生じる問題)」
講演 稲垣亮祐
「医療の視点から」
松端克文
「福祉の視点から(制度、今後の方向性)」
参加費 : 【一般】3,000円 【学生】1,000円
定員 : 200人
問合せ : アイ・サポート研究所
〒533-0004 大阪市東淀川区小松1-13-3 水仙福祉会内
<TEL>06-6327-7675 <E-mail>i_support@suisen.or.jp

報告 写真 ⇒参加者の声
参加人数 200人
講   師 ・ワークセンター豊新 加藤啓一郎施設長
  「心理の視点、発達の原点から」
・姫島こども園 岩崎隆彦園長
  「行動障がいは作られる(幼児期、学童期に生じる問題)」
・風の子そだち園主任、ワークセンター豊新主任
  「支援の現場から」
・さわらび診療所 稲垣亮祐院長
  「医療の視点から」
・桃山学院大学社会学部社会福祉学科 松端克文教授
  「福祉の視点から(制度、今後の方向性)」
・NPO法人全国障害者生活支援研究会 赤塚光子会長
  「まとめ」
内   容  今回の発達講座は、定員をはるかに超える申し込みがあり、充実した講座になりました。当日は「行動障がい」を「発達の視点」「医療からの視点」から捉えるということで、現場の支援において多くの困難に直面している成人や児童の福祉施設職員、学校の先生、保護者の方の参加が目立ちました。

 講座内容としては、「心理の視点、発達の原点から」は乳幼児期の発達過程での問題がその後の成長にも大きく影響し、ひいては行動障がい問題に繋がることが、ビデオ映像を交えながら分かりやすく解説され、「行動障がいは作られる」では、乳幼児期、学齢期にどのように行動障がいが作られていくのか、具体例と共にその背景が考察されました。

 後半、「支援の現場から」では、法人職員が成人期の事例を通して、医師と相談しながら密な連携を取ることで問題解決に取り組むに至った経緯を報告しました。それを受けて、「医療の視点から」の講演は、一般の医療が持つ課題と医療を生かすための考え方が明確に提示され、支援者や保護者が抱きやすい医療への不信感を払拭する内容でした。また、質疑では活発な意見が交わされました。「福祉の視点から」では、現状の障がい者支援に関わる諸問題についての整理と課題についてお話しいただき、「障がい者の人達が幸せに今を生きていくことが大前提である」という印象に残るお話がありました。「まとめ」では、改正された障がい者基本法にも触れられ、障害の定義の変更の中で「社会的障壁」が新たに書き込まれたこと、『行動障がい』へのアプローチは、作られた障がいであり、ハード、ソフト、多岐にわたって、支援のあり方を再考することが今、我々に求められていることを伝えていただきました。

 アンケートも160人からの提出があり、「大変充実した内容で、もっと聞きたい」、「現場に持ち帰って伝えていきたい」等、良かったという評価が9割近くを占めていました。今後の講座についても多くの貴重な意見をいただきました。 ⇒参加者の声を見る
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写真


はじめに松村理事長のあいさつ
アイ・サポート研究所の担当者から
趣旨説明

司会者(ワークセンター豊新主任)による進行

加藤・ワークセンター豊新施設長による
講演

岩崎・姫島こども園園長による講演

風の子そだち園主任による支援の
現場からの報告

ワークセンター豊新主任による支援の
現場からの報告

稲垣・さわらび診療所院長による講演

松端・桃山学院大学社会学部社会福祉
学科教授による講演

赤塚・NPO法人全国障害者生活支援
研究会会長によるまとめ
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参加者の声
 参加された皆さまからの多くのご意見・ご感想をいただきましたが、一部を抜粋して紹介します。

◆前半(発達・心理、行動障がいの背景)
今の状況におかれている子供の心理を理解し、向き合う大切さを知りました。
その人の人格を形成する乳児期の発達の原点を知ることはその人の支援、家族の支援につながると思います。
自閉傾向のある人の同一性保持の反応は、表面的で目立った部分で捉えられがちですが、乳幼児の安心・安定の機能と関係しているという視点が勉強になりました。
心理や発達の視点からの説明はあまり聞く機会がなかったので貴重でした。
理路整然としていて分かりやすかった。問題行動には必ず何がしかの意味があるのだなと納得できた。
「行動障がいとは環境が生む産物である」が印象に残っています。「問題行動の背景を探る」ことが確かに重要であるが、現実にはそこが難しい。
「障がいが重い人ほど人を見る目を持っている」という言葉が心に響きました。教育の現場との連携が大切であると痛感しました。
「よかれと思ってやっていたことが実は…」ということ、たくさんあると思いますし、自分自身の子育ての中でもいっぱいあったのではと思い返しながら聞かせてもらいました。教育等の現場の人にもっと聞いてもらいたい内容だと感じました。

◆後半(医療について)
現場の生の声を聞くことができ良かったです。支援する側にも問題があり、こちらが変わっていかないといけない部分もあることに気づくことができました。
「医療を使う」に非常に共感しました。これまでの医療に対する不信を取り除くために何が必要かをつめていきたいです。
職場での医療との連携、スタッフ間でのチーム力を改めて考えさせられた。
医者という立場でありながら、患者さんと言うか私たち目線で医療について話をしてくださり、とても親近感がわきました。先生の人柄がとても伝わり、楽しくお聞きできました。
医療とどう連携していくかのヒントになった。「本人が楽になるなら」という視点で薬を使っていくという考え方でみてきたいと思う。
障害の害という字を「がい」と書き直すことは大きい声でうたわなければいけないことが問題だとずっと思っていたが、そのことを大きい声で言えない自分にもちゃんと向き合おうと思った。

◆福祉・まとめ
福祉を学んで現場に入ったものですが、福祉ってなんだろうと思うことがあります。社会的に弱い立場にある方、個人の問題とするのではなく、環境・社会に目を向ける視点は社会福祉ならではだなぁと改めて気づきました。
生き難い社会を生きやすく、障がい者の人達が幸せに今を生きていくことが将来につながるといった内容が印象に残った。自分が福祉従事者なのでその対象の人が幸せに暮らせる社会と、ただ単に自分が幸せに暮らせる社会は同じ未来にあるのかなと不安にもなった。
実践と理論の結び付けができて、整理がつきました。
最後に権利条約や基本法について触れられ、深められたのはよかったです。頭を整理しながら聞くことができました。

 最後に、この度の講座への反響は、現場で支援している人達を始めとして、保護者、家族の方々が大変困っておられるということを反映しているかと思います。そのことは、それ以上に利用者ご本人が大変生きにくい生活を余儀なくされているのではないかと考えられます。
 微力ながらも、今後もこの発達講座を続けていくことが必要ではないかと痛感しました。

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