突発的な暴力、どう理解してよいか分からない行動…発達障がいや知的障がいのある人が示す“行動障がい”は教育や福祉の現場において大きな課題です。利用できる社会資源は増えている昨今ですが、理解の難しい行動を前にした家族・支援者の「なぜこんな行動をするのだろう、どうしたらよいのだろう」という悩みは、支援の量を増やすことでは解消されません。 |
今回の講座では、暴力などの激しい行動障がいだけでなく意図が分かりにくく誤解を招きやすい行動についても取り上げます。行動の背景にある意思や気持ちに焦点を当て、本人の立場に立った支援を目指す“意味了解的アプローチ”にもとづき、難しい事例に支援者としてどう向き合うか実例を通して検討します。幼児期、学齢期、成人期の支援に関わる多くの方々に参加を呼びかけ、心理の観点に加えて医療・社会福祉の専門家の見方もうかがいながらともに理解を深めたいと思います。 |
日時 : | 2016年12月17日(土) 午前9時45分〜午後4時30分 (開場 午前9時30分) |
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会場 : | 大阪府教育会館 たかつガーデン 8階「たかつ」 (大阪市天王寺区東高津町7-11 пF06-6768-3911) |
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対象 : | 福祉施設職員、教師、保育士、幼稚園教諭、学生、 ご家族、その他関心のある方 |
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内容 : |
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参加費 : | 【一般】3,000円 【学生】1,000円 | ||||||||||||||||||||||
定員 : | 200人 | ||||||||||||||||||||||
問合せ : | アイ・サポート研究所 〒533-0004 大阪市東淀川区小松1-13-3 水仙福祉会内 <TEL>06-6327-7675 <E-mail>i_support@suisen.or.jp |
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今回は年の瀬の開催でしたが、定員を超えるお申し込みをいただき、このテーマに対する皆さまの関心の強さを感じました。参加された方の多くは福祉施設職員でしたが、ご家族、学生の他、特別支援学校の先生方のご参加も多くいただきました。 はじめに稲垣亮祐医師に、「今こそ考える、障害と病気の違い〜発達障害が薬物療法の適応診断名になったことを受けて」と題してご講演いただきました。障がいモデルならば「社会への問題提起」ととらえることも可能な行動が、疾病モデルに立つと「治療すべきもの」と位置付けられてしまう。疾病モデルとは対極的であるはずの、生活に根差した障がいモデルについて、福祉関係者はもっと自覚的になり、疾病モデル的見方に巻き込まれずに医療と向き合うべきと後押しされるお話でした。 続いて岩崎隆彦園長の講演「本人・家族・支援者 その思いのすれちがいと行動障がい」では、「行動障がい」「問題行動」とみなされがちな行動の背後に、どのような本人の思い・生活状況があるのか、具体的な例を交えて説明されました。本人だけではなく家族がおかれやすい状況、支援者との間で生じやすい見方の違いなども踏まえ、「すれちがい」が本人中心の視点から解消されていくためには支援者は何を大切にしたらよいか提案がありました。 午後は、「意思決定支援と意味了解的アプローチについて」と題し、加藤啓一郎施設長のコーディネートにより、現場の支援者から支援の映像と分析が紹介されました。「意味の分かりにくい行動」や「問題行動」をどう受けとめて、本人の意図や背景を明らかにし、主体的な選択・自信へと結びつけていくか。「意味了解的アプローチ」の4つの柱について、具体的な支援のあり方を例にしつつ説明がありました。 最後に岩間伸之教授から、「本人のいるところから始めるということ〜ソーシャルワークの本質へのアプローチ」と題してご講演いただきました。対応の難しい行動を前に、支援者として何を価値基準にしていけばよいのか、基本に立ち返って考えさせられる内容でした。本人との間に信頼関係を築きながら、本人とその家族や周囲の環境について情報を収集し、現象の奥にあるものについての理解を深める。外から見て目につく課題ではなく「本人から見えている世界」への理解を深めるところから、本人が主体となって課題に取り組んでいく過程がスタートするというお話で、今日の講演・事例に一貫する視点を整理していただきました。 参加されたほとんどの方にアンケートのご回答をいただき、うち87%の方に「とてもよかった」「よかった」との評価をいただきました。また、内容や運営についていただいたご意見は今後の講座に生かしていきたいと考えております。多くの皆さまからのご意見、ご指摘ありがとうございました。 |
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アンケート 参加されたほとんどの方からアンケート回答をいただきました。 4つの講演・事例報告への評価を平均すると、87.1%の方から良い評価をいただきました(とてもよかった:50.2%、よかった:36.9%、ふつう:10.8%、よくなかった:2.1%)。 これまでの参加回数は、初めての方が75%、2回目の方が13%、3回目以上の方が12%でした。ご記入いただいた感想の一部を掲載します。 講演1 「今こそ考える、障がいと病気の違い 〜発達障害が薬物療法の適応診断名になったことを受けて〜」 稲垣亮祐氏(さわらび診療所 院長)
講演2 「本人・家族・支援者 その思いのすれちがいと行動障がい」 岩崎 隆彦氏(姫島こども園 園長)
事例から 「意思決定支援と意味了解的アプローチについて」 コーディネーター:加藤 啓一郎氏(ワークセンター豊新施設長/ 障がい者地域生活支援センター風の輪所長) 事例報告:黒田千珠氏(風の子そだち園 園長)、淡路こども園主任、ワークセンター豊新副主任
講演3 「本人のいるところから始めるということ 〜ソーシャルワークの本質ヘのアプローチ〜」 岩間伸之氏(大阪市立大学大学院生活科学研究科教授)
その他 全体に対して
参加者の皆様から、今後につながる貴重なご意見をたくさんいただきました。研修企画に活かしていきます。ありがとうございました。 |
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