会報「風の輪」 第40号(平成21年2月発行)
つまらない!!・・・普通の生活求ム 「いろんなところへ行って」「世間話などをして」etc
 水仙福祉会が運営する知的障害者のための施設では、毎年1月に「成人のつどい」を開いている。
 これは、障害があるために一般の成人式への参加が難しいという現状から、関係者が集まって祝う会を持ったことが始まりである。同時に、我が子が成人を迎える時に、親は複雑な心境になることが多いため、この日に本人の思いや願いを伝えて理解してもらい、皆で応援していこうというねらいもある。
 20年前はこのような「つどい」がなく、皆でお祝いできなかった人は40歳でW成人式と銘打ち、一緒にお祝いする。今年も1月24日に開かれた会で、40歳になったAさんが発表した「思い」は次の通りだった。
 「最近、土曜日の丹波作業に行くことがある。丹波では職員と作業をしたり、話をしたり、一緒に昼食を食べたりするので楽しい。けれど悩みもある。仕事が終わってから直接家に帰らず、毎日寄り道しているが、お母さんが言うように家が嫌なのではない。仕事の帰りや休みの日にスーパーに行くが、いつも楽しい訳ではない。ずっと家にいるのは退屈だから。本当は他のところにも行ってみたいが、知らないところは不安で行けない」。
 Aさんは休日に家にいるのは退屈だと言う。友だちやいろいろな人と、自分の行きたいところや新しい場所に出かけて楽しんでみたいと思っている。Bさんは「職員と普通に話をしたい」と言う。困った時や悩んでいる時はもちろんだが、それだけではなく、世間話やテレビの話など、楽しく会話できるようになりたいと言う。

誰でもが集えるフリールームを
AさんやBさんのような悩みは、障害の程度が、比較的軽度と言われる人たちの多くに、共通する悩みである。
 障害のある人たちの自立支援をと言われているが、彼らの生活の範囲は極めて狭い。施設に通っていても、そこには障害者と職員しかいない。家庭と施設の往復だけで、生活経験に乏しい。言い換えれば普通の生活を送っていないということであり、様々な年代、いろいろな価値観の人たちと接する機会を増やすことが必要と思われる。
 休日に、気軽に立ち寄れ、
障害のある人だけではなく、地域の高齢者や親子連れ、ボランティアなど、誰でもが集えるようなフリールームを創設することが、地域生活支援における今後の課題であると考えている。
[写真コメント]最後には舞台に上がって「風をみたひと」「翼をください」を合唱しました
水仙の家 施設長・榎本多美子


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社会福祉法人 水仙福祉会