会報「風の輪」 第42号(平成21年12月発行)
本人主体の支援とは何か グンネル・ヴィンルンド氏 全国各地で講演
水仙福祉会プロデュース
 10月12日から11月13日、水仙福祉会はスウェーデンの成人ハビリテーションセンターの心理士グンネル・ヴィンルンド氏を招へいした。これは氏の著書『見て!聞いて!分かって!知的障害のある人の理解と支援とは』の翻訳本出版記念で招へいしたもの。大阪、京都、西宮、名古屋、藤沢、東京、仙台、札幌で講演会を開催、好評を得た。
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 福祉国家であるスウェーデンは、一人ひとりの違いを認め共に生きる社会をめざすノーマライゼーション思想のもと、法律に基づいて入所施設は既に解体、障害のある人は必要な支援を受けながら、地域のグループホームやアパートで生活している。何よりも当事者の主体性を尊重した理解と支援が実践される。
 招へいのきっかけは04年に遡る。私たちアイ・サポート研究所のスタッフが「スウェーデンにおける、行動障害を示す人の生活と支援の実態を知りたい」と、FUB(全国知的障害者協会)付属アーラ研究所に視察を依頼、「そのテーマなら」と紹介されたのがヴィンルンド氏だった。
 滞在中はグループホームやデイセンターの案内のほか、ハビリテーションセンターの専門職向けに、風の子そだち園の松村昌子園長による講演会も企画していただいた。その交流記念としていただいた本の翻訳がきっかけである。

喜びや希望の声 行脚の甲斐あり
 ヴィンルンド氏は、成人ハビリテーションセンターの心理士として、40年にわたり知的障害の重い人たちの支援に携わってこられた。
 今回の日本講演では、ノーマライゼーション思想に基づく「人間理解の全体的視点」から、自らの意思や気持ちをことばでうまく表現できない知的障害の重い人の生活の質を高めるための支援のあり方を、具体例を挙げながら分かりやすく話された。自傷や攻撃行動など行動障害を示す人についても、その背景の把握や必要な配慮を提示された。
 当事者や家族を始め、福祉・教育・医療等の関係者、学生、行政関係者など多数の参加を得て、「本人主体の支援とは何かが理解できた」「当事者理解の貴重な手がかりを得た」「日々の支援に生かしたい」など、喜びや希望の声が多く聞かれた。
 私たちは、今回の招へいを出発点として、今後もスウェーデンの実践に学ぶと共に、私たちの支援実践や考え方を発信して、交流を継続するなかで知的障害のある人への理解と支援のあり方を深めていきたいと考えている。
[写真コメント]著書、翻訳本を手に記念撮影 右・ヴィンルンド氏、左・岩崎園長
淡路こども園 園長・岩崎隆彦

見て!聞いて!分かって!知的障害のある人の理解と支援とは」翻訳本(訳者・岩崎隆彦、二文字理明) 一般書店にて発売中

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