会報・職員の声

会報「風の輪」 第69号(2018年8月発行)

「心の支え」となるために

 私たちの法人は、幼児期から学齢期、成人期を通して、障がいや発達の遅れのある人と家族の支援に取り組んできた。長期にわたる継続的支援だからこそ得られた多くの発見がある。「行動障がいはつくられる」「どんな行動にも意味がある」「本人の立場に立った理解、気持ちの通じる信頼関係の形成こそが子育て・支援の軸となる」は、ゆるぎない確信である。

本人の立場で
 どの子も、意思や感情、自分の内面世界を持ち、日々精一杯生きている。だが、本人からの発信や表現が弱い、激しい、間接的でわかりにくい等から、周りの人に正当に理解してもらえない。真の思いに気づかれないまま、誤解され、叱責され、不本意なことを強要されやすい。結果、自尊心が傷つき、自信喪失や人間不信に陥ると考えられる。
 だから、支援に携わる私たちの役割や責任は大きく、行動の背景にある本人の心を理解する力量が問われている。

人として尊重する
 心の理解は、その子を人格を持つ人間として尊重することから出発する。その視線、表情、態度、ふるまいやその変化を細やかに見る目、思いや訴えを聞く耳、そしてわかろうとする真摯な姿勢や態度を持ちたい。たとえ明確な返事や応答が見られずとも、本人を蚊帳の外に置かず、意思や思いを聞く、語りかける。不安な時、悲しい時は「大丈夫だよ」と慰め、約束を守れなかった時は「ごめんね」と素直に謝る。当たり前のことを忘れない。
 ひとりの目で全体は見えないから、支援者同士のチームワークを大事にする。家族と支援の視点を共有できれば、より深く子どものことを理解できると思う。

表現の意欲を
 支援や働きかけが能力促進や集団適応に偏らないよう、知情意のバランスを大切にしたい。過度の我慢は「過剰適応」を引き起こし、将来自らの意思で生活を創っていくことを困難にする。本人の意思の理解と尊重が、安心感と信頼を培い、率直な表現への意欲を育む。

願い
 私たち、児童発達支援センターは、将来に向け、子どもたちが人への信頼感や自尊感情を持って生活できるよう、共に暮らす保護者がわが子の意思や思いを受け止め、「心の支え」となれるような支援を今後も追求していきたい。
 また、「本人の立場に立った理解や支援」を関係者や社会全体で共有できるよう努めたい。
姫島こども園 園長 岩崎隆彦

お母さん・保育者と一緒に絵本の時間

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社会福祉法人 水仙福祉会