「ありがとう」

 ワークセンター豊新に配属され、1年と少しが過ぎた。最近小さなミスばかり続いてしまい、落ち込んでいるところにつらつらの原稿依頼の話がくる。何度も書き直しては消してを繰り返し、自分の仕事ぶりや利用者さんとの関わりを思い出してはこれで本当に良かったのか、間違ってはいないか、利用者さんはどう感じただろうか、問いただしては落ち込んでいた。

 とうとう、締切当日になってしまった。相変わらず落ち込んでいる私に先輩が声をかけてくれる。「最近元気ないけど大丈夫?」。少し話を聞いてもらい元気が出る。同日午後、担当の利用者さんと散歩に出かけた際に、私の肩をギュッとひき寄せて顔を覗き込んでくれた。ことばはないが、どうしたの、と心配し励ましてくれるような気持ちがひしひしと伝わってくる。

 利用者さんが帰宅し原稿を書く頃には、落ち込んでいた気持ちも嘘のように晴れていた。周りの職員や利用者さん、親御さんに見守られ、時には励まされ、支えられながら自分は毎日がんばっている、とふと気付く。利用者さんはいつも、目に見えない大切なことを教えてくれる。

 「ああ、自分はやっぱりこの仕事がすきだなあ」と、改めて思う。

ワークセンター豊新・支援員(平成26年入職)

第58号(平成27年12月発行)より

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