今の自分に見えるもの

 風の輪に異動となり、3年目を歩んでいる。直接支援は4年間経験してきたが、相談支援という役割はそれまでとまったく異なるもので、ゼロからのスタートだった。

 相談支援は地域で暮らす方が対象で、知的障がいだけでなく様々な障がいや病気、制度の理解を深める必要がある。障がい受容の困難による支援の入りにくさ、生活環境の整いにくさ、精神科への入退院、8050問題、虐待など、人が「生きる」場を直に感じ、地域支援の範囲の広さや現実に衝撃を受けた。一人ひとりの思いに気づき、他の支援者にその思いを伝えながら、本人が地域で「生きる」ことを支えていくのが私たちの仕事だと思っている。

 また、風の輪は区内の相談支援の中核機関であり、個々に対する支援だけではなく、他事業所の後方支援や他機関との密な連携、一事業所では抱え切れない支援困難な方の相談や同行、自立支援から介護保険移行時の引き継ぎ、病院や入所施設から地域に戻る方の生活基盤の整備など、役割は多岐にわたる。障がい者の親が高齢の場合には、親の支援者との情報共有も欠かせない。

 立ち位置は変わっても、支援の姿勢は変わらない。様々な場面に向き合うなかで視野が広がり、福祉で働く者として、そして一人の人間として、大きく成長させてもらっている。

支援センター風の輪・相談員(平成25年入職)

第74号(令和元年12月発行)より

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