沿革

施設事業の基本
1. 風の子保育園と風の子ベビーホーム、そして風の子児童館子どもの家は、社会福祉法人 水仙福祉会の傘下にあって、法人の理念や方針のもとに運営します。
風の子保育園は乳幼児を対象とする保育、風の子ベビーホームは乳児を対象とする保育、風の子児童館子どもの家は主として学童児を対象とする地域生活活動を支援するための事業を行ないます。
これらの施設は、それぞれ独立していますが相互に連結し、全体として一体的に運営しています。
2. この3つの施設は、地域福祉施設としての認識に立って、保育の専門性を生かしながら地域の子育てする人たち、子育てに悩む人たち、また問題を抱えた学童児やその家族の人たちに対して、積極的に福祉的なアプローチをしながら地域生活支援を行ないます。
3. この3つの施設は、「親と園とで育てる子ども」を目標に掲げ、利用者と園とは対等な立場で共に信頼関係を築きながら、子どもの健康な発達をめざして協力していきます。このためには、施設活動の情報公開、外部の意見聴取に努めて、地域に支えられる施設にしていきます。


保育理念
子どもの乳児期、幼児期は、人格形成にとって極めて重要な時期です。それには家庭における安定した親子関係の持続が好ましいのですが、色々な事情から生活時間の大半を保育園で過ごす子どもたちに対しては、家庭に代わる機能をもって、特別な配慮のなかで保育する必要があります。
そのため子どもの保育を集団として見るのではなく、あくまで一人ひとりの子どもを対象にする意識で、すべての保育を展開していかなければなりません。また、子どもは自然に育つのではなく、人との関係の中で子ども自身が獲得して発達していくものです。
したがって保育士は、もう一方の養育者である保護者と良く連携しながら、子ども一人ひとりに対する愛情をもって、養護と教育への行き届いた環境を整え保育をすすめていきます。
以上の視点に立って、どのような子どもになって欲しいかを以下の5項目の目標をもって日々の保育に努力していきます。
1. 子ども一人ひとりの個性を理解し、かけがえのない主体として受けとめる
2. 自分の意思や気持ちを表現する力を育てる
3. お互いを大切にし、人との関係を築く力を養う
4. 生活の実体験を通して、生きる力を培う
5. 自然とふれあい、命の不思議に気づく感性をはぐくむ


保育の特徴
保育園での生活の基本は自由保育、縦割り保育、統合保育です 
子どもは自分なりの意思や考えをもつ、独立した人格です。「自分の存在が認められている」「人に受け止めてもらって安心」と感じる、人間関係を身近な大人との間に築くことが必要です。その中で「自信」「意欲」が育ち、自立につながると考えています。
乳児クラスは発達年齢に応じた、少人数の活動を中心とし、大人との関わりを基盤とした保育をします。
幼児クラスでは、社会性が育つ保育をします。
就学を控えた5歳児については、年間を通して同年齢での活動時間を設け、対等の仲間同士としての経験を重ねていきます。
▼自由保育
子ども自身がしたいことを見つけ、実現していく遊びの中で、子どもの意欲や自主性が育ちます。その中で、お互いがぶつかり合い、わかり合う経験を積んでいきます。
▼縦割り保育
年齢を越えて3、4、5歳児が一緒に生活をしていく中で、小さい子が大きい子に憧れその姿を真似たり、大きい子が小さい子をいたわるといった自然な関係が生まれます。
▼統合保育
障がいのある子もない子も、一緒に遊ぶ中で、お互いが認め合い共に育ちます。


保育方針
幼児期の保育で大切にしていること 
▼生活の中で
毎日の生活での食事、お昼寝、排泄などの、基本的生活習慣は個々の子どもにあわせて、とりくみます。本人のペースが尊重され、なによりも意欲を損ねることのないようにかかわります。生活の場としての部屋のかたづけやそうじ、自分の身のまわりを整えること、お互いの挨拶は大切な習慣として、私たち大人がお手本となりとりくみます。
▼あそびの中で
散歩や体を使う経験を通して健康な身体を培い、絵本を読んだり、おはなしを語ってもらったり、ものをつくることを通して考える力や創造力を養います。
友達同士の中で、それぞれの違いを知り、相手と思いを共有したり、時にはぶつかり合ったりしながら成長していきます。
音楽療法、アートセラピーを保育に取り入れ、より豊かなコミュニケーションと心の育ちをめざします。
▼自然と人とのつながりの中で
自然は私たちの生活と切り離せないものです。四季の移り変わりや、虫、鳥、動物に触れたときのおどろきや感激を感じます。園では丹波や比良での自然体験、日々の散歩や花を植えるなどの経験を通して、感動と発見を分かち合います。そして子どもたちに自然と人とのかかわりの中で、いのちの大切さを感じとってほしいと思います。
乳児期の保育で大切にしていること 
▼大人との信頼関係が基本です
子どもは、身近な大人に自分の思いを叶えてもらい、意図を汲み取ってもらう事、また一緒に遊ぶ中で、嬉しい時は一緒に喜び、悲しい時、困った時はなぐさめられ、抱きとめてもらう事で、人や自分を信頼し自信をもつことができます。保育士は子どもから信頼され、頼りにされる“心の居場所”として、子ども一人ひとりを丁寧に受け止めていきたいと思っています。
▼真似ることで学びます
子どもは、信頼できる人、好きな人の真似をして、学んでいきます。
いろいろなことを自分でやってみたいという気持ちが芽生え、大人が受け止めたり、一緒にしたりすることで、遊びや生活、人との関わりがひろがっていきます。
▼“わがまま”として捉えるのではなく、自己主張は大切です
子どもは、1歳を過ぎた頃から、自分の要求や思いをしっかり出すようになります。
時には頑固や反抗的と思える事を保育園では〝わがまま?と捉えるのではなく、自己主張だと考えています。頭ごなしに「だめ」と押さえつけてしまうと、意欲ややる気までもがなくなってしまいます。
状況によっては、子どもの思いを通せないこともあります。子どもの思いや気持ちは受け止め、して欲しくないことには、して欲しくないという大人の気持ちを伝えることが基本です。
▼甘えと依存が自立につながります
甘えを受け入れてもらうことは、子どもの育ちにとって重要なポイントです。子どもはしっかり甘える事ができると、自分自身を肯定することができ、いろいろな事に自信をもって意欲的になります。また、何かの時に大人を頼ることができると、それは自立につながります。特に、要求や気持ちを大人に向けて十分訴えてこない子どもには、そうした気持ちを引き出せるよう関わります。
▼大人とのやりとりの中で友達関係は作られます
園での生活の中で、子ども同士のぶつかり合いをたくさん経験することになると思います。例えば、思い通りにならないからと、相手を噛んだり、ひっかいたりすることもあれば、あきらめたかの様に振る舞い、内心では我慢を溜め込んでいることもあります。いずれにしても「自分だけでなんとかしなくちゃ」と必死になっている姿です。こんなとき保育士は、子どもの思いを相手に一緒に伝えるようにしています。
大人が仲立ちやモデルとなる事を通じて、子どもが周りの人の思いに気付き、友だちと一緒に居ることを喜び、共に生きる心が育つと考えています。
▼乳児期の食事や排泄はあせらずに取り組みます
<食事>
まずは、“自分で食べる”という意欲を大切にします。時には「これきらい」と言って、好きなものばかり食べることもありますが、無理強いすることで食べる意欲そのものを損ねることもあります。好きな人がおいしそうに食べていると、自然と子どもにも食べたいという気持ちが生まれ、食の広がりにつながります。
<排泄>
自立の時期には個人差があります。早い遅いにとらわれずその過程で、「オムツを替えてもらって、気持ちがよかった」という経験を大切にしています。
失敗を叱ると、緊張して、余計に排泄の自立に影響が出る場合もあります。失敗しても叱らず、成功したときにはしっかり誉めて、あたたかく見守っていきたいと思っています。
家庭と園が一つになって、子どもの成長を支える 
子育てには、周りの大人同士がそれぞれの役割をもち、協力し助け合う事が必要です。保育園では、毎日の送り迎えのなかや、保育参加や個人懇談、家庭訪問などを通して、家庭でのことをうかがったり、園での様子をお伝えして、子どもの生活全体を視野に入れ、家庭と子どもの状況を確認しあいます。
また、グループ懇談や勉強会をいろいろなテーマで企画します。育児についての苦労や悩み、子どもへの接し方、子どもと気持ちが通い合う関係、家族の協力関係づくり等を一緒に考えていきます。


子育て支援
地域における子育て家庭に対して、保育の専門性を生かして積極的に支援していきます。それには施設や設備の開放、個別相談と子育ての困難性に対する具体的援助、子育て中の親子の交流、発達問題を抱える子どもへの支援などを行なっていきます。
この支援活動は、可能な限り常設的に実施し、福祉的視点をもって行なっていきます。


保育計画
前述の保育目標を達成していくために、次のような計画を組んで保育をすすめます。
1. 保育課程
入園した子どもが就学までの期間において、その子の置かれた家庭環境や発達の状況を踏えて、必要な養護と教育の体験が得られるように見通しを立てるようにします。
2. 期間の設定
各年度を四期に分け、その期間に行事との関連も含め、重点的に配慮すべき事項を挙げて、保育をすすめていきます。
第一期 4月~5月
第二期 6月~8月
第三期 9月~12月
第四期 1月~3月
3. 指導計画
長期計画
子どもの生活や発達を見通しながら、四期に分けた年間カリキュラムを設定し、これにもとずき月案を作成します。
短期計画
前述の月案を具体化するために、週案、日案を作成します。しかし、これらは子どもの状況や周りの環境条件により修正変更しながら、長期計画の目標に近づけるように努めます。日案に対する記録として日誌を記し、反省評価を行ないます。ただし、0・1・2才児に対しては、クラス全体の日誌の他、一人ひとりの個人の生活がわかるように家庭との意志疎通ができる連絡ノートを作成します。
障がいのある子どもについて
障がいのある子どもに対しては、障がい児担当者が日々の観察記録を個別日誌として記入し、月ごとの変化をまとめ、保育の反省評価資料とします。
4. 保育の評価
2才児以上は各期間ごとに、0・1才児は月ごとに、一人ひとりの子どもの発達状況をまとめ、保育の評価を行ないます。そして毎月の終了時に子どもの発達成長について、保護者に報告できるようにします。
卒園し就学する子どもに対しては、全保育期間の発達過程「あゆみ」を作成し、保護者に報告します。


障がい児(者)保育・療育の経緯
1971年に開始した障がい児保育から障がい児(者)支援のあり方を一貫して考え、施設の設置・運営を行なってきました。

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設置・運営主体
社会福祉法人 水仙福祉会