子育てを混乱させる考え |
子どもが育つ基本となる考え方 |
(幼児期に)自分の力でできるようにしておかないと、将来困りますよ。 |
「○歳までに○○できないと手遅れ」ということはありません。不本意に身につけた能力は生活の中で生かされません。能力を使うのは本人です。本人の意思や気持ちを大切にしながら、時間をかけて生きる力を育てましょう。 |
人に頼っていると、自立しませんよ。 |
早急な自立を求めると、むしろ自分でするしかない「野生的自立」(孤立)になります。愛着・依存は人間の基本的欲求です。しっかり受け止めてもらう経験を重ねれば「心の支え」ができて、それを基盤に必ず自立心が育ちます。 |
子どもの要求に応えていたら勝手気ままな子になりますよ。小さい時に、躾や我慢を教える必要があります。 |
要求に応じるだけでなく、「理解してもらえて良かった」という経験こそが気持ちの通じ合う人間関係を築きます。意思を尊重し、思いを受け止めてもらえる人とのやり取りを通して、自己主張する力だけでなく、相手の言葉に耳を傾ける姿勢・思いやり・自律心が培われます。 |
障がいは治りません。 障がいのある子は、繰り返し教えないと自分からは学びませんよ。 |
障がいは病気ではありません。繰り返しの指導訓練で行動修正を図るのでなく、行動の背景にある心に焦点を当て、共感的理解を心がける関わりを通して、人への信頼、自尊感情が育まれます。本人をよく理解してくれる人がいて、安心感と意欲を持てる環境があれば、学ぶ意欲や能力は育ちます。 |
人を押す、噛みつくなど、人に迷惑をかける行為は断固許してはいけない。厳しく叱らないと、エスカレートして手に負えなくなりますよ。 |
「目には目を」方式の対応は決して良い結果を生みません。意思が尊重され、困っているときに支えられる人間関係を築くことが大切です。最初から人を困らせようと思う子はいません。思いがうまく伝わると、子どもはそちらの表現の仕方を学び、攻撃行動はしなくなります。 |