● | 乳児の担当制保育について 2013年10月・第429号「風の子だより」より |
風の子ベビーホームの乳児のクラスは、担当制がとられています。担当制というのは、例えば0才のクラスで子どもが9人居るばあい、保育士が3人配置されています。このばあい、3人の保育士が9人の子どもを見るのではなく、1人の保育士が3人のみ責任担任をもつ形です。子どもから見ると、3人居る保育士の中でも、自分にとって一番信頼する身近かな存在であるのが担当する保育士となります。 その担当する保育士は、子どもにとって実の母親に代わる存在であることに意味があります。乳児期は、母子関係が基本になって発達していきます。それだけに安定した母子関係が大切です。母親は元々、授乳をすること、排泄の世話をすること、おんぶや抱っこして寝させるなど身近かな世話を通して子どもとの関係が深まっていきます。 お母さんが働らくために子どもを預けることになると、この関係が弱くなってしまい、子どもに不安な感情をもたらしてしまう恐れがあります。このマイナス面を出来るだけ小さいものにしたいと考えたのが、担当制保育です。3人の保育士が、9人の子を見るということは、個々の保育士にとっては1人が9人の子を見るのと同じです。子どもにとっては、9分の1の関与になり、担当制によるばあいの3分の1とは大きな差があるわけです。 以前は、担当制保育をグループ保育と称していました。風の子では、もう40年も前から実施していました。しかし、このグループ保育の意義については、これまでも余りPRしてきませんでした。でも、この風の子の保育の特徴については、やはり保護者が理解し支持していただく必要があると感じています。 いまから10年、20年前までの保育と比較して考えますと、現在の子は長時間保育の子が増え、朝早くから晩遅くまで10時間を超える子が少なくありません。それだけに特定の保育士と特定の子どもの関係を深めていく担当制保育が、増々意味をもってきます。 この担当制保育の成果が、色々と把握されていることをクラス懇談会等で明らかにしていきたいと思っています。 |