<風の子保育園の特徴>障がい児保育について(3)
2015年1月・第444号「風の子だより」より

 障がいをもつ子を一般の子どもと交わって保育することは、保育園が子どもの生活施設であるだけに意味あることになります。

 それは障がいのない子どもから日常的に様々の刺激を受けることによって、知的な面でも感情の面でも発達をうながすことができるからです。子どもは、社会関係のなかで育っていくので、刺激のない隔離された環境では成長はできません。小さい時期の子は、周りの子の言動を模倣することから、自分のものに取り込んでいきます。障がいのある子が、クラスの中でみんなと同じことができなくても、見て見ぬ振りをしながら実際は見ていることに気づかされます。その場から離れたところで、例えば家に帰ってから模倣が出てくることもあり、心理学でいう延滞模倣があります。

 こうした学びの姿勢は、障がいのない子どもと交わる環境がベースにありますが、他児との接点をつくる大人、即ち保育士の適切な役割があってできることです。ここに障がい児保育の専門性があります。

 さて、障がい児保育は、障がいのない子どもにとっても大変にプラスに作用します。同じことができない面を多くもつ障がいのある子に対して、教えてあげる、手助けしてあげる、助ける等の優しさが自然に振る舞いとして出てきます。これは人間として成長していくうえで、実に大事なことです。中々教えて身につくものではありません。人としての優しさを生活の中で、自然に身につくことがすばらしいことと言えます。

 共に生きる共に育つということが、障がい児の保育の生命であると思います。

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