音楽リズム
2018年2月・第481号「風の子だより」より

 子どもたちの世界で音楽リズムは欠かせません。子どもたちの生活では、歌ったり、音楽を聞いたり、楽器を楽しんだり、手拍子を打ったりする内面の表現を喜ぶという行動があります。この音楽と動きのリズムが、表現活動を通して驚きや感動が沸き、生き生きとした子どもの心や、内面に脈うつ躍動感をつくることができます。

 風の子保育園では、この子どもたちの音楽活動の重要性を考え、早い時期から音楽専門家である榊眸先生(音楽療法士)を招き、毎週定期的な指導を受けるように行ってきました。そのお蔭で、2歳の子どもから、その年令に合わせた表現活動を楽しんでいます。

 そして年度の活動の最後に行われる幼児クラスの保育参観では、表現活動の大部分を音楽とリズムが占めることになっています。榊先生は、毎週1〜2回保育園に来られますので、園児の一人ひとりを良く理解され、その子の個性や特徴を知って指導されているので、どの子も音楽の時間が好きで参加しています。

 昔から、よく指摘されていることに、小さい子どもの頃に好きだった音楽や絵画が、就学して学年が進むにつれて嫌いになってしまう子が大部分を占めるということです。それは、「うまく出来る」とか「うまく画ける」とかの評価をする学校教育のせいだと言われています。

 随分と以前の事ですが、日本の保育関係者の組織で、ヨーロッパの保育園を数ヵ所見学するのに参加したことがありました。その内の或る保育施設で日本の見学者を歓迎する意味の催があったとき、音楽が流され共にリズムに合わせて踊るという機会がありました。ところが日本からの参加者十数人のうち誰一人参加して踊ることはできませんでした。日本人の体の中にリズム観が養われていないのです。結局、現地の方々だけの披露になってしまいました。

 小さい時から音楽リズムを楽しんで育つ風の子保育園の子どもたちは、大きくなっても本当の音楽好きな人間になってくれることを心底から期待しています。

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設置・運営主体
社会福祉法人 水仙福祉会