● | 卒園おめでとう 2018年3月・第482号「風の子だより」より |
3月に入ると卒園式が近づいてきます。この時期になると、風の子保育園を卒園した子が、今はどのように生活しているのかと、よく思い浮かべることがあります。 2ヵ月程前に、ある卒園児が突然訊ねてきました。この近くを通ったら、懐しくて寄ったということでした。その時、同伴してきた3人の小・中学生ぐらいの子どもが一緒でした。彼は、もう40代の父親です。京都大学の工学部を卒業し、一流の電器メーカーの研究所に就職しますが、ある時期を経て外国の有名企業に引き抜かれ、もう20年近く海外で生活しています。3人の子どもは、いずれもインターナショナルスクールに通っているそうですが、家の中で、きょうだい喧嘩をする時には、英語でやり合っていますと笑っていました。 彼は小さい時、物事を几帳面に出来ない子で、彼が通った後にはいつもカバン、くつ下、その他何かが散らばり、忘れものの多い子でした。でも、そんなことは大人の危惧であって、秀れた人生を築いていることに賞賛を覚えます。 この1月の初めに、ある卒園した子のお母さんにお会いし、色々と思い出話を伺いました。その方の卒園した子は、今は30代、オーストラリアで生活しているそうです。国内の大学を卒業し、親の願う就職をしましたが、しばらくして退職し、親の反対を押しきりオーストラリアに渡航しました。小さい時期から好きだった料理で生活したいと、調理士の勉強をし、今では料理人として楽しく生きているということです。 その時、お母さんは「これも風の子保育園の教育のお蔭です。一人ひとりの子が、自由に自立し、自分の頭で考え行動し生きていく逞しさを持っているからです」とおっしゃったのでした。 今年は、34人の子が卒園します。この子たちが、どんな子に育ち、どんな大人になっていくのか楽しみです。 |