少子高齢化社会
(2020年11月・第512号「風の子だより」より)

 今年の9月に、厚生労働省から日本の人口統計が発表されました。それによると100歳以上の高齢者が男性で9,475人、女性で70,975人、計80,450人でありました。なんとも驚くべき数字です。そしてマスコミでは盛んに日本も100歳時代に入ったとPRしています。この調子でいけば、来年度は10万人に達することでしょう。

 また男女の平均寿命では、男性が81.41歳、女性は87.45歳であり、共に過去最高と言うことです。いまから70年ほど前(終戦後)では、男女とも平均寿命は50歳台でありました。したがって、その頃は人生50年というのが一般の常識でした。そういう時代でしたので、80~90代という高齢の老人の数は少なく、社会でもあまり高齢者の姿を見かけることが少なく、老人問題ということが強く叫ばれていませんでした。

 これほど日本人が長生きするようになったのは、この70年の間に医学が進歩し、治療が進んだことでしょう。また、食生活が改善され、栄養価の高い食事を充分にとっていること、健康管理の知識や習慣が定着したこと、過重労働が減り、適度な休養を取ることができていることなどがありましょう。日本人の生活全体が豊かになったからといえます。

 一方、現在の日本の人口を大きく三つに分けて調べてみますと、15歳未満の年少人口は、1528万7153人(12.30%)、15歳~64歳の生産年齢は、7367万6767人(59.29%)であり、65歳以上の老年人口は、3530万7386人(28.41%)です。

 そして昨年1年間で死亡した人の数は、過去最高の137万8906人ですが、出生者数は過去最少の86万6908人でした。この差は、51万1998人という自然減少になっています。日本の人口が減っているわけです。逆ピラミッドの型です。

 こうした人口の変移を見て、日本の将来はどうなっていくのか、いろいろと考えさせられます。

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