幼児の保育参観
(2021年2月・第516号「風の子だより」より)

 保育園の年間行事の中で、大きな規模のものは秋の運動会と、年度末にある保育参観です。運動会は、子どもたちの運動能力の発達の状況を発表して保護者の方に観ていただくものです。もう一方の保育参観は、子どもの内面の発達、理解や感受性、表現などの状況を劇あそびや詩・ことば遊び、音楽リズムなどで発表して保護者に見ていただきます。

 風の子保育園では、「保育参観」と名付けて行なっておりますが、多くの保育施設では「生活発表会」と称して実施しています。一般に生活発表会は、乳児から幼児まで園内全員の子どもたちが、年齢別やクラス別に分かれて同じ日時に発表します。これは園全部の子どもと、多数の保護者の参加となりますので、どの会場でも大変な混雑の中で落ち着いて鑑賞することができません。

 風の子保育園も生活発表会形式で行なっていましたが、1980年代、およそ40年ほど前に園全体での発表会形式をやめました。大混雑の中で行なうことの問題だけでなく、子どもの発達の観点から、乳児の子どもたちに何かをさせるという行為に疑問を感じたからです。3歳未満の乳児期の子は、大人と一緒に何かすることを喜びます。しかし、3歳過ぎた幼児期になると、自分の行動を見てほしい、褒めてほしいという気持ちに変わります。

 したがって本園では「生活発表会」という表現ではなく、「保育参観」という規模を小さくした行事に改め、子どもの発達を主体にした取り組みに改めました。その「保育参観」の行事が今年は散々です。せっかく幼児クラスで取り組んできたのに、コロナのせいで行事の設定が二転三転しています。コロナの感染防止のために、大勢の保護者が参加する密集の集会行事を避ける必要があるということと、子どもたちの発表を見てほしいということとのジレンマからです。とにかく早くコロナの騒ぎが終わってほしいと思います。

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設置・運営主体
社会福祉法人 水仙福祉会