● | 新緑の五月 (2021年5月・第520号「風の子だより」より) |
私どもの法人、水仙福祉会では、丹波篠山に山の家を持っています。敷地は、龍蔵寺という天台宗の寺の領地を借りています。周辺は山に囲まれ、武庫川の源流といわれる小川が流れ、その水は手ですくって飲むことができます。 私たちの法人では、そこに柿、いちじく、栗、キウイ等を育て、また法人内施設の障がいのある人たちが、職員の援助を受けて、さつま芋や大根の畑を耕しています。 この自然の世界では、一年で一番楽しい時期は、やはり新緑の五月です。緑の深い山の風景は大変美しいものですが、自然が作る野草や山菜が格別です。まずは、「わらび」「ぜんまい」「せり」「いたどり」「山ぶき」など採集が楽しみです。採った山菜をてんぷらにして食べるのは、最高のぜいたくです。 保育園や児童館の子どもたちは、毎年遠足や芋ほりに、この丹波の家を拠点にして楽しんできました。特に、児童館の児童は「自然学校」として年に六回ほど山登りや自然探索などをして楽しんでいます。一年生の時にこの活動に参加した子は、途中で止めようとしないで卒業する六年生まで続けている子が多いのは、自然と触れ合う不思議な楽しさが忘れられないのでしょう。この子が将来親になったら、自然の楽しさをいろいろな形で伝えていく大人になると思います。 さて、今年はコロナウイルスの緊急事態宣言があって、自粛生活が要請され、せっかくの五月の丹波行きができません。大変残念です。早くコロナが下火になってほしいものです。保育園関係の行事も次々と取りやめになっていますが、多くの日常の活動にも制約を受けています。今年の「ぞうさん」や学童児のキャンプはどうなるのか、夏の夜店まつりはまた中止になるのか、秋の運動会はできるのだろうか。心配は尽きません。コロナの感染が一向に収まらない状況が続き、自粛の毎日の新緑の五月です。 |