夏こそ、自然に触れあいましょう
(2021年7・8月合併号「風の子だより」より)

 今年はオリンピックの関係で、7・8月の祭日である「山の日」「海の日」の日程が変更になりましたが、この2日の祭日は、暑い夏の機会に自然とのかかわりを奨励するものです。

 私たちの住む日本は、周囲を海に囲まれた島国です。そして住む土地の7割が山地であり、人間が住みついた場所のほとんどが海に面した狭い平地部分です。同じ島国であるイギリスは、逆に殆どが平地で山地が少ないのとは随分対照的です。したがって先祖代々日本人は、この海と山との付き合いの中で生活してきたと言えます。その環境が、日本の文化を作り上げてきたと思われます。

 この自然豊かな日本は、海の幸、山の幸に恵まれての歴史でありましたが、残念なことに現代の人たちは自然と遊離した人生を歩むことが多く、自然を知らない生き方をしているきらいがあります。例えば特に若い人の多くは、花の名前をあまり知りません。それは花に関心がないために、花を育てたり、活けたりすることがない人が増えているからです。

 人間と自然との関係を記述した著書に、アメリカの生物学者レイチェル・カーソン女史の「センス・オブ・ワンダー」という本があります。それは人間の感性や感動は、自然の中から生み出されるということの発見が書かれています。そして、子どもの頃に、自然と触れ合い遊ぶ体験が、とても大切であることを教えてくれています。

 風の子保育園では、創立以来60数年を経過していますが、これまで他の園が遠足の行き先に遊園地を選んでいる施設が多いのに対して、いつも自然豊かな場所を選んできました。そして1年保育児の五歳児には、夏の時期に、海、山、湖などの場所を選び、1泊や2泊のキャンプを実施して自然と接触する機会をつくってきました。子どもたちにとっては、きっと生涯の思い出になっていることでしょう。

 コロナ禍の今年も、5歳児の「ぞうさん」、学童保育児の小学生に対して実施する計画です。子どもたちにとって、夏の楽しみになっていることでしょう。

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設置・運営主体
社会福祉法人 水仙福祉会