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ぼくも一緒に |
会報「第37号 共に生きる」より(平成25年2月発行) | |
![]() 登園後は、「2階はどうする?」と声をかけ、“嫌”の表現があれば意思を受け止め尊重する。私がそばを離れる時にはどこに行くかをていねいに伝える。クラスの友達と馴染めるように遊びの場を工夫する。家庭と園での様子を相互に細かく伝え合う。これらのことを意識して関わる日々が続きました。 個別の関わりを続けるなか「このままでいいのか」と不安になることもありましたが、次第に視線が合うようになり、手を握る、笑顔が見られる、私の姿を探して頼ってくれるようになってきました。その一つひとつの変化が本当に嬉しく、何より私の気持ちを前向きにしてくれました。 2ヵ月が過ぎたある日、主担者が不在で私がクラスの活動を進めなければなりませんでした。朝、いつものようにMくんを迎え「Mくんといたいけど、今日はN先生がお休みやから先生2階に行かないとあかんねん。ごめんね。今日は○先生が一緒にいてくれるからね」とていねいに伝え、私自身不安を抱えながら階段で別れました。すると、少ししてMくんが階段を上がってきてくれたのです。そして、教室で落ち着いて1日を過ごしました。Mくんが私の話をしっかりと聞いたうえで“先生の所へ行こう”と思ってくれたことに、驚きと嬉しさでいっぱいになりました。そして翌日からは、自分から2階に上がってきてくれるようになりました。 子どもたちはたとえ視線が合わなくても、言葉をしゃべらなくても、大人を見ていて、話を聞いていることを改めて感じた出来事でした。“わかっていないだろう”と思うのと“きっとわかっている”と思うのとでは、私たちの接し方は大きく変わります。どのような子どもも誠実に関わり、意思を尊重することで信頼関係が築ける、そのことを私は子どもたちから毎日教わっています。 |
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※写真はイメージです。 |