「伝えることの大切さ」
会報「第58号 共に生きる」より(令和8年4月発行)
 私は入職して2年目になり、3歳のKくんを担当しています。Kくんはこれがしたい、こうしたかった等の表現が少しわかりにくく、経験の浅い私にはKくんの思いを汲み取りきれず、日々関わり方に悩んでいました。先輩に相談すると「自分の思いを自分自身の言葉で伝えることでKくんにも思いが伝わるんじゃないかな」とアドバイスをもらいました。
 今まで私はKくんと関わる時にKくんの気持ちを代弁してお母さんに伝えたりすることはあっても、私の気持ちや思いを言ってはいませんでした。正確に言えば、どう言えば良いか、私の思いの伝え方がわからずあまり言っていませんでした。Kくんの担当になって半年ほど経ちますが、このこともあるのか、なかなかKくんと信頼関係を築けている手ごたえや実感がありませんでした。
 Kくんは毎日お母さんと一緒に登園し、少し一緒に遊んでから、「いってらっしゃい」をします。Kくんが抱えているモヤモヤについての気持ちを代弁してお母さんに伝えることで、お母さんと「いってらっしゃい」をすることが多いのですが、私がKくんの思いを汲み取りきれず、「いってらっしゃい」がしづらい日もあります。
 その日も「いってらっしゃい」ができず先輩に対応を代わってもらい、後から先輩に話を聞くと、数日前に友だちとのおもちゃの貸し借りで嫌なことがあり、その不安から「いってらっしゃい」がしづらかったことがわかりました。
 その日から「先生はKくんのことちゃんと見てるし考えてるよ」「お母さんが行っちゃったら誰が僕のことを守ってくれるのかなって不安だよね。Kくんが嫌なことあったら絶対に守るし、困っていたら絶対助けるから」等と私自身の言葉で思いを伝えることを意識して関わるようにしました。
 そのようにしてからは、Kくんと朝会うとニコッと目を合わせて笑ってくれることが増えたり、「だっこ」と私を求めて来てくれたりすることが増えました。さらには、私が他の子と遊んでいると「こっち」と言いながら私の手を引くことが増えました。
「自分の思いを自分自身の言葉でKくんに伝えることで思いが伝わるんじゃないのかな」と言う先輩のアドバイスの意味をようやく理解し、今はKくんと信頼関係を築けてきている手ごたえを感じています。
 これからも、この経験を生かして、自分の気持ちや思いを伝えることの大切さを意識しながら子どもたちと関わっていきたいと思います。
※写真はイメージです。

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